「てのもの」作家・駒井香文インタビュー

みなさんは、七窯社には大きく3つ、「まれもの」「かまもの」「てのもの」があることをご存じでしょうか?
実は、「まれもの」と「てのもの」では作家が異なるんです!

今回は、「てのもの」を制作する駒井香文さんに、作品にかける想いを伺いました。


まず初めに、陶芸を始めたきっかけを教えてください。
大学で陶芸を専攻したことがきっかけです。デザイン科と工芸科で迷ったのですが、素材に直接触れて手で一から作れる陶磁科を選びました。

人気シリーズ「ぱーる」

陶芸に強い想い入れがあったわけではなかったのですね。
実際にやってみて、どうでしたか?

実際に触ってみて、とても魅力的な素材だと感じました。大学で様々な成形技法や、釉薬、焼成のことなどを学び、「陶芸って面白い」と思いました。
特に面白いのが釉薬です。ベースとなる基礎釉の種類や原料の産地、焼き方などを変えることで変化が生まれ、様々な色を作ることができます。そこに無限の可能性を感じて、どんどんはまっていきました。

産地が違うだけでも、色味が変わるんですね!
学生時代は、どんなものを作っていましたか?
オブジェなどの造形作品を作っていました。
大きい作品は、乾燥時にヒビが入ったり、焼く過程で歪んで割れてしまったりして、上手くいかないこともありました。思い通りにならないことは悔しいですが、同時に面白くもあります。それも陶芸の魅力だと思っています。
当時、私の先生はいつも「たくさん作って!楽しんで!」と言ってくれました。
ですから、今でも『楽しんで作ること』を特に大事にしています。

オブジェ制作とアクセサリー製作とで、違うところはありますか?
アクセサリーのように小さなものを作るのは初めてだったので、大変でした。例えば、初めて作った「すくえあ」は、隣同士の色が混ざり合ってしまう失敗がよくありました。

すくえあ(若菜・天色・柑橘)
4つのくぼみに、釉薬を流し込んで作る

アクセサリーを作っていて改めて実感したのは、柔らかい粘土に釉薬を掛けて焼くと、キラキラ輝いて本当にきれいだということです。「これって凄く素敵じゃない?」って。窯を開けたとき、そこにずらっと並ぶ一粒一粒が、愛おしく感じます。

では最後に、今後の展望を教えてください。
今までにない形や色を表現したいと思っています。
アクセサリーはサイズが小さい分、表現の幅を出すのが難しいですが、その中でどれだけ魅力的なものになるかを追求して頑張っていきたいです。
もっともっと、釉薬などの研究をしないといけないですね。
幅広い世代の人に、「これ着けたい!」ってワクワクしてもらえるようなものが作りたいです。

取材・文:森 日香留